揺れるかんぽ生命、不適切販売が横行、今秋に控える売り出しに黄色信号?

かんぽ生命とは

【6178】日本郵政が64%を出資する【7181】かんぽ生命は世界最大級の保険会社。民営化が進められているが、旧態依然とした公務員体質は依然として変わらずのようだ。
民営化に向け数年おきに政府保有株式が市場に売り出しされている。不祥事は売り出しの需要を下げてしまう恐れがあるので、今回の事件に関する釈明姿勢は企業の資質を問われる展開になる。

かんぽ生命

不適切販売とは

保険販売に限らず、金融商品を販売するときには「虚偽の説明をしてはいけない」し「不利益なことを黙っていてもいけない」し「顧客本位の営業」を行わなければならないのだ。
証券も保険も”強引な営業”が代名詞となっているが、みんなが思っているよりはお客様本位で営業しているのだ。
かんぽ生命をめぐっては、
新旧の契約を重複して結ばせ、保険料を二重払いさせていたケース
契約を結び直す際、新旧契約の間に、4カ月から6カ月にわたる一時的な無保険状態の期間があったケース
が数万件規模で確認されている。

所感

とても不謹慎なことだが、個人ブログなのであえて言わせていただこう。
このニュースを読んで私は思った。
「かんぽやるじゃん。」

民営化が進められているが、彼らの性根は公務員である。
指示されたことしかできないと思っていた公務員の彼らが、不正を犯してまで利益をあげようとしているのだ。
決して褒められたことではないし、業界や社会の信頼をぶち壊すほどの重大な倫理違反だと思うが、個人的な見解としては、かんぽを少し見直した。

OpenWork(旧Vorkers)をご覧いただこう。

Aさん/営業事務/在籍3年未満
「給与は年功序列です。頑張っても頑張らなくても給与に差はありません。」

Bさん/総合職/在籍5~10年
「きほん公務員時代から大きな変化はなく昇給率は緩やかで年功序列の色が非常に強い。」

Cさん/業務部/在籍5~10年
「給与は高くはないが、仕事の質から見ると妥当。」

彼らはろくなインセンティブも出ないのに、会社の営業利益のために顧客を貶めたのだ。

彼らを責めるのは容易だ。だがその前に知っておかなければならない人間の性がある。

大量のユダヤ人を殺害したホロコーストの責任者、アドルフ・アイヒマンは、ただただ命令に従っていただけの「凡庸」な男だった。
多くの人は権威者の命令に背けないのだ。

上司の命令を受け、独善的な営業を行った彼らを手放しに責めることはできない。