【投資信託】ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド【プライムOne】

皆さんこんにちは。元野村マン兼投信ブロガーのぺいまるです。

今回は2018年に少し話題になった元本確保型の投資信託「ゴールドマン・サックス社債/国際分散投資戦略ファンド」についてお話します。

こちらは2018年7月の設定で、2018年9月からは毎月ファンドの設定が行われている人気商品です。

オープン型といわれる投資信託であれば毎月ファンドを設定する必要はありませんが、 当ファンドはクローズ型・単位型と呼ばれる商品なので、新たな契約者を募るために毎月設定されています。
募集が集まらなければ当然次回以降の設定はありませんので、本日時点(2020年1月31日)まで毎月設定されているのは人気の証左です。

実際に純資産額も100億円を超える月が多く、現在までにシリーズ累計2000億円以上を集めています。

どんな商品?商品性について

簡単に概要をまとめます。

買付手数料税抜き1%(1億口以上は無料)
換金時の信託財産留保額 0.3%
運用管理費用 税抜き年率0.3132%
成功報酬 実績連動クーポンに対して税抜き10%
単位型10年満期
途中解約途中解約の場合元本棄損リスクあり

コスト面で気になるところは、成功報酬部分です。

国際分散投資戦略は、アセットマネジメントOne(株)が独自に開発した計量モデルに基づくらしいですが、各国のインデックスを適当に組み込んだだけの目新しさのない運用なので、そこに10%も払いたくないというのが私の気持ちです。

では、元本確保型ファンドはどのような仕組みになっているのでしょうか。

プロが行う元本確保型の運用に以下のような方法があります。

元本確保型の運用スキームの図

当ファンドは、債券をゴールドマンサックスが発行します。
その債券が特殊な形になっており、固定クーポンと実績連動クーポン部分に分かれています。
※ここでのクーポンとは債券の利息のことです。

上図にあるグレーの部分を固定クーポン、オレンジのリスクをとる部分を実績連動クーポンと考えていただければイメージしやすいと思います。

ゴールドマンサックスから発行された債券に100%投資するだけのファンドですが、その債券の中身が工夫されたファンドです。

リスク部分は国際分散投資戦略(?)を行うようです。2018年7月設立ファンドの月次報告をみてみましょう。

国際分散投資戦略指数の資産構成は以下のようになっています。

プライムONEの指数図

2019年12月30日基準 マンスリーレポートより

資産構成比率の合計が約120倍なので、大きなレバレッジをかけず堅実な運用を行っているようです。

リスクは、投資する社債がゴールドマンサックス1社のみというコーポレートリスクが最も大きいでしょう。

本来ファンドとは、複数アセットへの分散投資するものなので、投資銘柄が集中しているリスクは大きいと思います。
その他のリスクは販売用資料をご覧ください。

販売会社は?どこで買えるの?

2018年7月設定当時は大和証券のみでの取り扱いでした。
現在では、地方銀行や地場証券を中心に販売しているようです。

設定月によって販売会社が異なるので、運用会社のHPから販売会社を調べて口座開設ください。

当ファンドは個人向けというより、運用難に困っている法人向けとなっているような気がします。
現在は、すぐに金利が上がるような情勢ではありませんが、金利が上がらない保証はどこにもありません。
個人投資家にとって10年の塩漬けともいえる当ファンドはあまり旨味がなさそうです。

10年定期預金をするくらいなら…という気持ちで投資するにしても、定期預金の流動性という強みと比較したときに価値は低そうです。