「アメリカ雇用統計+2万人の増」が華麗にスルーされたが、大丈夫か?

米雇用統計とは

概要

米国の雇用情勢を調べた経済指標のこと。失業率、非農業部門雇用者数をはじめ、建設業雇用者数、製造業雇用者数、小売業雇用者数などの業種別雇用者数、週平均労働時間、平均時給などが米国労働省から毎月発表される。失業率と、非農業部門雇用者数の増減は特に注目される指標の一つで、米連邦準備理事会(FRB)の経済政策の変更にも影響を与える。通常、翌月の第1金曜日に発表されている。


野村証券HP

なぜ雇用統計が大切なのか 

アメリカのGDPの7割は国内消費に占められています。
つまり、雇用されることで安定した収入が見込まれると消費が活発になりアメリカ経済は順調に成長するだろうと織り込まれるわけです。

経済の活況は通貨高の要因となります。大切なのは、実数ではなく、市場の予想期待とどれだけ乖離があるかです。美人投票の考え方ですね。 

雇用統計2万人チャート 

では、前回3月の雇用統計はどのような結果だったのでしょうか。

yahooより

アメリカ議会がストップしていたことも影響して2月発表の雇用統計は前月+30万人と過剰なほどの増加を見せました。そのため3月の指標は悪化することは予想済みでしたが、ADP民間雇用統計(アメリカ雇用統計の2日前発表)の予想値では+18万人の増加でした。

結果は、+2万人増。

これにはアナリストも驚いたようで、「最初20万人と勘違いしていたww」と言っていました。

ちなみに17年の9月に大きく凹んでいるのは、大型ハリケーンがアメリカを直撃したことが影響値として出ています。こういった災害や季節性のこともない19年3月の発表は軽い衝撃だったのですが、マーケットは完全に無視していますね(^J^)

為替は多くのトレーダーに関わる

基軸通貨 

国際金融取引において基準として採用される通貨を基軸通貨といいます。
もちろん現在はアメリカドルです。かつては、世界で初めて産業革命を起こしたイギリスのポンドが基軸通貨とされており、今後は中国も基軸通貨の座を狙うため様々な施策をうっています。AIIBなどもその施策の一環だと思います。 

ドル高になると 

ここ数年(2012年~2019年)は全世界通過に対して米ドル独歩高の状況でした。

自国の通貨高は過度なインフレを招きやすく物価高が消費に水を差し経済成長の停滞を招きかねません。
しかし、アメリカの順調な雇用と消費活動からアメリカは概ね2%成長を続けていました。ドル高は、原油や資源価格の下落を招きます。これは、基軸通貨が米ドルであることが要因として挙げられます。原油価格(先物)は米ドル建てで取引が行われるため、ドル高による調達コストが上がり需要が減るため原油安を招きやすいと言われています。

日本含め先進国はインフレに敏感なため、過度なドル高や原油安は各国の政策に大きく関わってくるため注意が必要です。 

円高になると 

少子高齢国家の日本にとって、企業は外需を求めに海外事業も多く行っています。

日経平均に大きく寄与する値嵩株(ネガサカブ)といわれる銘柄ファーストリテーリング、キーエンス、良品計画など為替の影響で売り上げ評価額が大きく左右されるため為替への注意は国内株式の売買においても重要です。円安に動くと日経平均が上昇しやすいのはそのためです。

FXやCFDトレーダーは注意 

初心者注意!重要指標前ではポジションスクエアが望ましい 

初めてFXを取引しようとする方は、以下の重要指標前にはポジション状況には注意しましょう。思わぬ為替変動で出資したお金以上に損をすることもあり得ます(追証)

  • 毎月第一金曜日のアメリカ雇用統計 
  • 毎月10日前後のアメリカ貿易収支
  • 四半期ごとのGDP発表
  • 各国政策発表が行われる毎月25日~も要人の発言に注意が必要です!